擇天記(たくてんき)~宿命の美少年~ あらすじ
第26話
魔種を埋め込まれていた秋山君は、周園の強い力に惑わされ、誤って弟弟子である関飛白を刺し殺してしまう。その一部始終を見ていた黒袍は、関飛白殺しの罪を陳長生に着せるように唆し、更に秋山君の心を乱す。その頃、陳長生は離山剣宗の七間と行動を共にしていたが、そこへ魔族を引き連れた秋山君から襲撃を受けてしまう。何とか七間を逃がした陳長生だったが、激しい秋山君の攻撃を受けた上、その場を目撃した天道学院の荘換羽からも剣を向けられ…。
第27話
陳長生と徐有容は、日の沈まぬ草原を経てようやく周独夫の墓へとたどり着く。墓の中には周独夫が集めたとされる伝説の名剣が眠っていた。2人は剣池を通りすぎ、いよいよ奥の棺の間へと向かう。一方、2人を追う黒袍は、墓の外に南客たちを待機させ自ら中へと進む。すると黒袍の持つ魂木に反応して棺が開く。その頃、周園に残されている院生たちと合流した秋山君は、長生が魔族の回し者であり弟弟子の関飛白を殺したと苟寒食たちに告げ…。
第28話
黒袍たちと戦いを繰り広げる陳長生は、剣池に眠る剣を味方につけ黒袍たちを撃退するが、剣が放たれたことで周園は崩壊し始める。その時、凌虚閣で見つけた黒曜石の破片が長生たちを再び墓の中へといざなう。破片は更に17つの破片を呼び、なんと長生たちの前に周独夫の星図が現れるのだった。星図を記憶した長生は、石板の力で有容と魔族の地に移動する。その頃、秋山君は黒袍から、長生が持つ星図を自分に渡せば長生を殺す手助けをすると持ちかけられ…。
第29話
周園から逃れた陳長生と徐有容は魔族の地に飛ばされた。はるか遠い神都を目指して、2人だけの旅が始まる。感情を押し殺してきた有容は己を解放し、そんな有容と共に過ごす幸せを噛みしめる長生。しかし、死は刻一刻と近づいてくるのだった。そんな中、かつて周独夫が死人をも生き返らせる丹薬を作ったと聞き、丹炉峰へ向かう2人。一方、秋山君が魔族に通じていることを知る七間が目を覚まし、陳長生の無実を訴えるが苟寒食は信じようとせず…。
第30話
ついに周独夫の丹炉を見つけた陳長生と徐有容。霊薬を作ろうとするが、丹炉に火を点けるには天鳳か真龍の血が必要だった。有容は長生を救うため、我が身を顧みず、血を錬成しようとする。弱った2人のもとへ秋山君がやってきた。周園で仲間を殺したのは本意ではなかったと言う秋山と、真実を知る長生。有容はただ「長生を信じる」と告げるのだった。秋山から長生がすでに星図を見つけていることを聞いた黒袍は、ある策を使って長生を追い詰めようとする。
第31話
黒袍は陳長生たちを丹炉峰に閉じ込めるため、地形と一体になった強力な結界を張る。3日以内にこの結界を破らなければ、閉じ込められた長生たちは丹薬になってしまうという。何とか結界を破る方法を探る長生と有容だったが、長生は無理がたたり五感を失ってしまう。有容は長生を救うため、自らの血を大量に使った丹薬を長生に飲ませる。無事に目覚めた長生は、五感を失っていた間に研ぎ澄まされた神識の力を使い、仲間と一緒に命星をともして結界を破る方法を思いつく。
第32話
陳長生や徐有容は、丹炉峰に集まった落落、唐三十六たちと協力して見事、黒袍の結界を破る。有容は莫雨や唐三十六と、長生は落落たちとそれぞれ二手に分かれ神都へと向かうが、神都に戻った長生は早速、聖后から参内を命じられる。そこで長生を待ち受けていたのは、長生が魔族の回し者だと糾弾する秋山君と、長生に疑いの目を向ける諸臣百官であった。そして有容と七間が長生の無実を主張するも、黒袍と結託した秋山君により長生の体からは魔気が検出され…。
第33話
六感を失ってしまった陳長生は、星図を記憶していることから厳重な法陣が敷かれた牢に投獄される。一方、長生の見張り役となった秋山君は、長生に恨みを持つ天海牙児に牢の通行証を密かに渡す。その頃、徐有容は落落や唐十三たちと共に長生を牢から救出する作戦を練っていた。そして作戦決行の夜、長生を殺しに来た牙児を利用し、落落たちは無事長生を牢から連れ出し、神都の包囲網を突破する。
第34話
牢から陳長生を救い出した白落衡たち。徐有容は長生たちを神都から逃すべく決死の思いで聖后に立ち向かうが、圧倒的な力の差を見せつけられる。吹き飛ばされ、身に着けていた血の首飾りが有容のもとを離れる。幼き頃、長生が有容に贈った物だった。それを手にした聖后の顔色が変わる。血のつながりを感じたのだ。まさか、長生は行方の知れない皇太子なのか。一方、落衡たちは六感を失った長生を連れ、追っ手の妨害に遭いながらも妖族の地を目指す。
第35話
全ての感覚を失ってしまった陳長生。師匠の痛ましい姿を見かねた白落衡は、妖族の聖地である神山へ向かう。神殿にいたのは不思議な力を持つという女神だった。長生の五感を取り戻す代償として、女神は白落衡にある選択を迫る。一方、我が子であるはずの長生よりも星盤大陣を重んじる聖后・天海幽雪の言葉を聞いた徐有容は、聖后と星盤の関係に疑念を抱き始めていた。そんな時、魔族と結託した罪で投獄されていた唐海のもとを黒袍が訪れる。
第36話
陳長生は妖族の経脈の欠陥を完全に解決するため、神識を高めて経脈を突く方法を白帝に授ける。その頃、黒袍と南客率いる魔族が密かに白帝城へと潜入していた。白帝の命を狙う魔族は唐海を使い、唐三十六から周独夫の法具である紅銅傘を奪う。紅銅傘は命星と命星の主を遮断できるため、命星から力を得ている白帝にとって紅銅傘を使われることは致命的であった。そして満月の夜、突然命星を感じられなくなった長生は、白帝に危機が迫っていることを知る。
第37話
白帝を殺すため宮殿に潜入した黒袍は、命星から遮断され力の落ちた白帝に攻撃を仕掛ける。だが間髪のところで唐三十六が紅銅傘を取り戻したため、妖族は魔族を撃退するのだった。一方、徐有容が天書陵に軟禁されていることを知った陳長生は、危険を顧みず仲間と共に神都へ戻る。長生の帰還を知った聖后は、すぐさま長生を参内させ星盤大陣の間へと連れて行く。そして長生こそ、自分が周を守るために手放した皇太子であると告げるのだった…。
第38話
聖后から身の上を明かされた陳長生だったが、星図を渡すことを頑として拒んだために、またも投獄されてしまう。その頃、離山剣宗に戻ってきた七間は、秋山君が関飛白を殺したのではないかと苟寒食に告げる。一方の長生は、星図を渡さないことで有容の身に危険が及ぶことを案じ、有容に会わせる条件で星図を渡すと聖后に告げる。そして聖后と共に有容に会いに行くと、天書陵の力を利用して有容と逃げ出すことに成功し、国教学院に身を隠すが…。
第39話
星盤大陣に魅入られ、徐々に正気を失っていく聖后。その裏では、大陣を狙う者たちがうごめいている。とうとう秋山君の正体を知った苟寒食は、改心するよう説得するが、努力もむなしく魔族により崖から突き落とされてしまう。一方、徐有容から頼まれた莫雨が、秋山君が魔族の回し者である証拠をつかもうとする。しかし、狡猾な魔族の罠にかかって失敗し、職を秋山君に奪われる。陳長生を追う秋山君。逃げる長生たち。両者の攻防が繰り広げられる。
第40話
逃げ場を失い、教宗のもとに身を寄せた陳長生たち。聖后の命令を受け長生たちを追い詰めた秋山君だが、ついに魔族と通じていたことを自ら明かしてしまう。疑いは晴れたものの、聖后に星図を渡すことをかたくなに拒む長生に対し、教宗は聖后と星図の力を借りて病を治すべきだと説く。一方、長生が行方不明だった皇太子であると知った天海承武は、天海家の権力を守ろうと立太子について聖后に進言。だが聖后の反応は驚くべきものであった。
第41話
皇位を狙う天海承武は、伏蛇首領の入れ知恵により、蜃月の香を使って聖后暗殺をもくろむが、夢に入るには聖后か陳長生の血が必要だった。そこで天海家は落落をさらい長生をおびき出す。救出にやってきた長生は捕らえられてしまい、金ジイも伏蛇首領に殺されてしまう。長生の血を手に入れた天海承武と牙児は、早速 蜃月の香を作り聖后暗殺を進める。一方の有容たちは長生の行方を追っていたが、なんとたどり着いた先はあの玄幽子の丹房だった。
第42話
聖后の夢に入った天海承武は、夢を支配し聖后に反撃の隙を与えない。牙児も兵を率いて皇宮に乗り込み、聖后は絶体絶命の危機に陥るが、そこへ陳長生と徐有容が救出に現れる。
天海承武は奥の手を使って大勝負に出るが、ついに野望は尽き、最後は実の妹である聖后の手によって死ぬ。皇宮でも聖后の簪が牙児の心臓を射抜き、天海家は一掃されるのだった。無事に夢から覚めた聖后と改めて再会を果たした長生は、初めて聖后のことを“母”と呼び…。
第43話
ますます星盤大陣の力に支配されるようになった聖后に、陳長生は大陣から距離を置くよう説得する。聖后の苦悩を知った莫雨は、天下の主でいたいか母親でいたいか、本心に従ってほしいと進言する。一方、唐三十六は莫雨の計らいで、刑に服する父親に密かに面会し、唐家の再建を誓う。その頃、落落は、長生との残り少ない時間を共に過ごすために何かにつけ長生のそばにいたが、聖后と大陣のことで頭がいっぱいの長生は、つい落落を突き放してしまい…。
第44話
星図を使って星盤大陣を修復しようとする陳長生。しかし、大陣の暴走を抑えることができず、傷を負ってしまう。打つ手がなくなれば自分の命を捧げる覚悟でいる長生だが、残される聖后の気持ちも考えるようにと教宗に諭される。徐有容は、大陣によって傷つく長生の身を案じながらも、応援しようと決意する。迫りくる魔族の軍を足止めすれば、大陣を直すまでの時間を稼げるはず。そこで有容は危険を冒して魔族の地へ足を踏み入れるのだった。
第45話
出陣を食い止めるため、魔族の地へ足を踏み入れた徐有容は、秋山君と南客の結婚式に乱入。絶体絶命に陥った有容を救うため、秋山君は味方となったはずの南客に再び刃を向けるのだった。秋山君に裏切られた南客は目覚めた黒袍の指揮のもと、人族の地・神都に大軍を差し向け、ついに魔族と人族の戦が再び始まった。それぞれの思いを抱き、国教学院の仲間たちも戦地へ向かう。苦戦が続く中、教宗と長生は聖后にある申し出をする。
第46話
人族の未来を守るため、陳長生は自ら星盤大陣の生贄になることを選択する。徐有容の必死の制止もふりほどき、長生は聖后の前で大陣へと身を投じるのだった。その頃、落落は長生を止めるために皇宮へと急ぐが、ついに神山の女神との約束を果たす時が訪れる。必死で抵抗する落落から、長生に対する愛は無残にも消えていく。有容は長生の遺体を国教学院へと連れて帰る。戦場から急いで駆けつけた唐三十六や軒轅破も、長生の変わり果てた姿に涙し…。
第47話
陳長生を失った聖后は心労がたたり、政を任せるため教宗を摂政の職に任命する。その頃、死んだはずの長生の神識は遠い彼方の星域で、周独夫に迎えられていた。すると神識で長生を捜し続けた徐有容が現れ、周独夫の助けもあり長生は生き返るのであった。歓喜する仲間たちだったが、落落だけは他人行儀になっており、長生たちはいぶかる。一方、聖后も長生との再会に喜び、大陣と星図の力を使って長生の体を一新、長生の宿命を変えることに成功する。
第48話
落落は神都を去ると陳長生に告げ、2人の思い出を持ち帰ることなく軒轅破と共に妖族の地へと帰っていった。その頃、皇宮では教宗が兵権を返そうとせず、聖后は実質の監禁状態にあった。そんな中、国教学院が襲撃を受ける。長生は刺客の技から、教宗こそが伏蛇の首領であり聖后から天下を奪おうとしていた黒幕だと知る。長生と徐有容は教宗を倒すため離宮へと乗り込むが、そこへ有容の父が現れる。教宗は有容の父に娘を殺すよう命じるのだった。
第49話
徐有容の父は、娘を逃がそうとして命を落とした。寒淵に隠れる有容をおびき出すため、その骸が城門に吊される。しかし、そこに秋山君が現れ、骸と徐夫人を見事に救い出すのだった。罪と向き合い、一歩を踏み出した秋山君。有容は感謝の涙を流す。一方、ひん死の聖后は教宗の来訪を受け、ついに教宗が謀反を起こした理由を知る。孤独な闘いに耐え、太宗の残した周を守ってきた聖后は、深い絶望感に襲われる。陳長生の働きで回復するも、教宗の罠に誘い込まれ…。
第50話
信頼していたはずの神将・汗青に裏切られた天海幽雪は、危ういところを陳長生に救われる。長生は神都の地下に捕らえられていた小黒龍の力を放ち、聖后と共に教宗のもとから逃げ延びた。神都に到着した長生の師匠・商行舟と兄弟子・余人もただならぬ雰囲気を察知し、長生たちのもとへ。久々の再会を果たす一同だったが、商行舟が告げたのは長生にとってあまりにも衝撃的な言葉だった。一方、帝位につくことを宣言した教宗に刃向かった莫雨は…。
第51話
莫雨は唐三十六に求婚し、2人は星の下で愛を誓い合い夫婦となる。だが翌朝 教宗に勝負を挑んだ莫雨は深手を負い、意識が戻らぬ状態となってしまう。その頃、魔族の地では、魔族の王太子の身分に戻った汗青が、魔君を殺し王座を奪おうとしていた。教宗は三族の統一を図るべく、魔族に続き妖族も支配しようと企む。そんな暴走する教宗を倒すため、長生は丹炉峰で結界を破った時のように、仲間たちの命星の力を集めて星盤大陣を攻撃する作戦を立てる。
第52話
教宗に捕らえられた徐有容だったが、秋山君が現れ身を挺して有容を救う。秋山君は自分の過ちを悔い、有容の腕の中で死んでいくのだった。そこへ黒袍が術を使い、陳長生や有容を救出する。黒袍の正体は周独夫の妹だった。長生と有容は小黒龍と共に皇宮の星陣の間に乗り込み、教宗に最後の戦いを挑む。長生、有容、唐三十六、余人たちがそれぞれ命星をともす中、妖族の地で命星を感じ取った軒轅破は、落落に命星をともしてほしいと必死で訴える…。
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