第1話~第30話

トンイ あらすじ

第1話

肅宗7年(1680年)3月初め、明け方のある湖畔で司憲府大司憲チャン・イッコン令監が殺害される。市場では泮村賤民の村に住むチェ・ヒョウォンの娘トンイが両班家の村の子供たちと薬菓をかけ競走をしている。死ぬ直前のチャン・イッコン令監を偶然に目撃したトンイとケドラ。捕盗庁検視室の従事官ソ・ヨンギは今回の殺人も近ごろ広がっている賎民らの地下組織チェ・ヒョウォン率いる“剣契”のことだと話す。しかし今回の殺人事件は南人の中枢オ・テソクがその罪をコムゲが犯したことにする恐ろしい陰謀であった。


第2話

チェ・ヒョウォン率いる“漢陽 剣契”は、引き続き両班らが殺害されその疑惑が自分たちに向けられるや急に会合を招集する。チョンスをはじめとするコムゲの若い幹部らは殺人者らを探すことになり、ついに殺人の背後に南人のオ・テソク令監がいるという事実を知る。一歩遅れてトンイの行方を知ることになった父チェ・ヒョウォンは殺害の危機に直面したトンイをケドラの家に隠したが、これを知らないトンイは家を脱出し問安婢としてオ・テソクの家を探す。


第3話

涙を流しながらトンイを必ず守ってほしいとチャンスに頼むトンジュ。義禁府の監獄でチェ・ヒョウォンなどの剣契集団を移送した官軍はコムゲ集団の襲撃を受ける。激しい戦闘の末、コムゲ集団は一人一人死んでいきトンジュも矢に当たって倒れる。チェ・ヒョウォンまで刃物で刺されて倒れる。その日オ・テソクの家でキム・ファンに会ったチャン・オクチョンは、彼女の人生に2人の貴人がいるという予言を聞く。そしてずっと捕卒らの追跡にあったトンイの境遇はますます危機に直面する。


第4話

チョンスはソリに幼いトンイをお願いする。一方剣契の首長チェ・ヒョウォンの娘、トンイと推定される子供の死体が発見され、トンイではないことが分かるが知らないふりをするソ・ヨンギ。平壌の妓生ソリはトンイのために掌楽院直長ファン・ジュシクにトンイをお願いする。掌楽院で仕事をすることになったトンイだが…


第5話

チャン・オクチョンが再入宮した後宮には不吉な前兆がいくつも起き、チャン・オクチョンを庇護するオ・テソクは危機を感じる。トンイは父と兄の汚名をそそぐことができるオクチョンの蝶模様の装飾品に執着する。トンイがオクチョンの装飾品を確認しようとした瞬間、正体不明の誰かに拉致されてしまうが…


第6話

倉庫の中で気が付いたトンイ。そばには編磬職人が死んでいる。警守所に申告して捕卒と現場を調べるが、編磬職人の死体はきれいに片づけてられていた。一方音変の原因がチョン尚宮のためという噂に国民たちは動揺し、オ・テソクをはじめとする南人勢力は緊張する。肅宗は身分を隠したまま遂行を出てトンイと会うことになる。


第7話

トンイと肅宗を威嚇する男たち。大妃を含めた西人勢力は自分たちの陰謀が明らかになるかと戦々恐々とする。肅宗は打楽器に縛られた音変の原因を明らかにし、トンイの功に食べ物と褒美を下賜する。大妃の陰謀の決定的な証拠を得たオクチョン。オクチョンは大妃を尋ね、このことを隠そうと提案するが…


第8話

オクチョンの装飾品を見せてくれというトンイ。一方、西人らの降格と南人らの昇進が発表される。王妃の煎薬の味見をすると銀のさじと箸が変色したことで、南人勢力は再び緊張する。ソ・ヨンギはトンイが6年前に奴婢で登載されたという事実を知りチェ・ヒョウォンの娘ではないかと疑い始める。


第9話

トンイはオクチョンの使いで行った薬房の医員が死に調査を受けなければならなかったため、調査を受けている間にソ・ヨンギと出くわす。王妃の煎薬の味見による変色の原因を明らかにしようとする肅宗。大妃をはじめとする西人勢力は、オクチョンが薬材を宮殿に持ち込んだという事実に監察府に投書を入れてオクチョンに陰湿な攻撃をする。


第10話

尋問を始めようという時に現れたオクチョン。ところがオクチョンは中宮殿殺害の謀略を受ける。これに対しオ・テソクはトンイに罪を着せようとする。肅宗はソ・ヨンギに中宮殿殺害の背後を探してくれと頼むが…


第11話

何とか粛宗を助けられたトンイ。トンイのおかげで助けられたオクチョンは、トンイに感謝し彼女を宮女として使おうと考える。翌日、街にお使いに来ていたトンイは、粛宗と偶然出会う。一方、チャン・フィジェが都城に戻り、オクチョンは内命婦に対する挑戦として粛宗にトンイに関するお願いをする。


第12話

監察宮女となったトンイ。しかし監察府の内部では賤婢だったトンイを受け入れようとせず反発する。一方、チャン・ヒジェはソ・ヨンギが働く補庁の補盗部将に任命される。監察府の者たちは定期試験の規律によってトンイを追い出そうと企むのだが…


第13話

監察府試験に合格できなかったトンイは監察府の規律によって追い出されることになる。仁顕王后の助けで4日後に再試験の機会を得たトンイ。粛宗はオクチョンを後宮にする。一方、ヨンダルはチャ・チョンスが怪しいと、ファン・ジュシクと一緒にチャ・チョンスの荷物を調べる。荷物から剣契の標識が出てくる。それを見たトンイは驚きを隠せない。その怪しい者がチャ・チョンスだと疑いトンイはチャ・チョンスを探しに行く。


第14話

チョンスはトンイを二度と失わないと決心する。清国から使節団が来て、監察府の女官らは不法に朝鮮の金権を掌握したキム・ユンダルを潜伏捜査する。潜伏捜査をしたトンイはキム・ユンダルの居所で怪しい暗号を発見するが、監察府の女官らがキム・ユンダルに摘発され捜査は終結する。だがトンイは捜査を諦めることができず、使節団の宴会がある掌楽院にこっそりと入りキム・ユンダルにまた見つかってしまう。


第15話

粛宗が漢城府判官ではなく王様だということを知ったトンイ。トンイは肅宗にためらいなく接していた昔の記憶がしきりに浮かび上がって心配だ。一方事件の中心であるキム・ユンダルは濡れ衣を着せられたという遺書と共に発見される。清国太監はこの事件の手がかりになるトンイを清に強制連行し調査をすると脅す。肅宗は戸惑いで言葉を失う


第16話

決心をしたトンイは自分の足で清国太監に訪ねる。チョンスはそんなトンイが心配になるばかりだが、トンイは太監に驚くべき事実を伝える。粛宗は禁軍に抑留されているトンイを連れてくるよう命じ、すべての臣下らはともすれば清国との軍事衝突が起きるかと肅宗の意に反対する。一方オクチョンは、肅宗のトンイに対する関心は恋心なのではないかという疑いをぬぐい去ることはできず…


第17話

淑媛の任命まで受けたオクチョンは懐任したことを肅宗に知らせる。18か月後オクチョンは王子を出産し、チャン・ヒジェも右捕盗庁の従事官に昇格する。王子を元子に上げようとするチャン・ヒジェと南人ら。だが明聖大妃は王子の元子冊封は絶対にだめだと言う。トンイは女官らの居所で蝶模様の装飾品を探すために努力を続ける。一方誰かがイニョン王妃に大妃殿に上げる煎薬が疑わしいという投書を送る。イニョン王妃は静かに監察府のチョン尚宮を呼ぶが…


第18話

大妃殿の煎薬事件の背後にオクチョンの内人ヨンソンを疑うトンイ。ヨンソンを尾行したトンイは煎薬をどこで使ったかと尋ねる。慌てたヨンソンはトンイを押し退けて行ってしまう。一方、煎薬事件の背後に兄のチャン・ヒジェがいることを知ったオクチョンは、トンイを静かに呼びこのことを隠せと言う。だがトンイはそれはできないとし許してほしいと言うが…


第19話

捕らえられてきた医官は明聖大妃の殺害をそそのかした者がイニョン王妃だと告げ、粛宗は衝撃を受ける。イニョン王妃はオクチョンを訪ねて行きこの仕事を止めるよう言うが、オクチョンは拒絶の意向を明らかにする。一方、イニョン王妃の無実を証明するために努力するトンイ。だが、すべての証拠はイニョン王妃に不利になるばかり。義禁府は中宮殿の内人らと家族らを捕らえて拷問をするに至り…


第20話

チャン・ヒジェは明聖大妃殺害をそそのかした疑惑が明らかになるかとトンイを消そうとし、オ・テソクをはじめとする南人らはイニョン王妃の廃位を主張する。粛宗はイニョン王妃を信じたいがイニョン王妃の疑惑を示す証拠に苦しむ。一方、トンイとソ・ヨンギはイニョン王妃の無実を証明する証拠を見つけ、トンイは自分の足でチャン・ヒジェを訪ねて行きあることを提案する。


第21話

トンイに殿下をお願いするという話を残したまま廃庶人になったイニョン王妃。私家へ向かうイニョン王妃の御輿を見てトンイは涙ぐむ。一方で自信満々なチャン・ヒジェに対しオ・ユンは不満でいっぱいだ。トンイはオクチョンを訪ねて行き宣戦布告する。これ以上トンイを見過ごせないオクチョンはユ尚宮を呼び…


第22話

内需司を監察するというトンイ。チョン尚宮と監察女官らはそんなトンイに力を貸す。イニョン王妃廃位事件の時ホ医官を買収するために内需司資金を充当したチャン・ヒジェは、内需司を監察するというトンイに当惑する。一方、話を聞いた粛宗はチョン尚宮と内需司典需を呼びチョン尚宮に今回のことは見逃すよう下命する。肅宗の意中を計ろうとするオクチョンは、トンイの去就に対する大きな決心を下すが…


第23話

トンイは証拠を手に固く握ったまま必死に逃げるが、刺客の手裏剣がトンイの胸の周りに命中する。胸を押さえ血まみれになるトンイの手。一方、陵幸を離れた粛宗はカモシカを狩りトンイにあげる革靴を作ろうとする。そんな折、肅宗はオ・ユンからトンイが内需司に火をつけて逃げたという報告を受ける。肅宗は衝撃を受けるが…


第24話

中殿冊封式を経て交泰殿の主人になったオクチョン。オクチョンは世継ぎ世子の清国からの誥命が遅れ心配だ。また、オクチョンと南人らは都城あちこちに出回っているキム・マンジュンの謝氏南征記に当惑する。一方ソ・ヨンギとチョンスは消えたトンイをあちこち探し回る。そうするうちにソ・ヨンギは商人らに平安道どこかで都城に便りを届けてほしい女の子がいるという情報を得る。その女の子がトンイかも知れないという希望にソ・ヨンギとチョンスは平安道へ向かうが…


第25話

平安道義州まで逃げてきたトンイ。トンイはシム・ウンテクに自分が宮廷の監察女官でありチャン・ヒジェが送った刺客に襲われ負傷しここまできたことを明らかにする。トンイとシム・ウンテクはチャン・ヒジェが平安道にひそかに来た理由を明かすため意気投合する。一方オ・ユンは肅宗がトンイを探しているという事実を知ることになり、オクチョンは肅宗のトンイのための唐鞋を発見するが…


第26話

チャン・ヒジェが平安道に来た理由を明かしたトンイ。だがトンイはチャン・ヒジェに発覚され捕まってしまう。チャン・ヒジェはシム・ウンテクの正体も知ることになり、手下らに義州官衙に兵士を解きシム・ウンテクを捕えよう指示する。必ずトンイを殺そうと固く念をおすチャン・ヒジェ。一方謝氏南征記による廃妃に対する民心と肅宗の心に不安なオクチョンと南人ら。廃妃に対する陰謀を整え始める。


第27話

都城に向かうトンイ。都城のあちこちにまかれた人相書きのためにトンイとソリは都城に入るのが容易ではない。肅宗はトンイが危険に直面したのではないか心配でトンイを探すソ・ヨンギに令牌を渡し力を与える。一方オクチョンはチョ尚宮にひそかにある下命をし、しばらくして開かれた親蠶礼の宴会で茶を飲んで倒れ危篤な状態に達するが…


第28話

雑仕女で宮殿に入城したトンイ。親蠶礼の宴会で倒れ危篤な状態であったオクチョンは意識を取り戻す。義禁府ではオクチョンが倒れたことには廃妃を追従する勢力が関連したと結論付ける。廃妃の私邸では証拠まで発見され、チョン尚宮とチョンイムはオクチョンを殺害しようとしたという理由で義禁府に連行される。一方人相書きを持ちトンイを探し回るソ・ヨンギとチョンス。チョンスはソリに会うことになるが…


第29話

ようやく会ったトンイと肅宗。肅宗はあらゆる苦難を経験し帰って来たトンイの健康が心配だ。トンイに会い宮殿に帰って来た肅宗はオクチョンに冷たいだけだ。オクチョンは自分に対する肅宗の態度に不審な気配を感じる。トンイは肅宗に廃妃事件の時に斬首された内医院医官と係わる内需司の不正証拠を渡し、内禁衛の兵士たちはオクチョンの中宮殿内人たちを調査することに至るが…


第30話

トンイに自分の心を告白する肅宗。一方チャン・ヒジェは 内禁衛に強制連行され拷問を受け始め、オ・テソクを含めた南人たちは廃妃の無実が明かされるのを恐れる。肅宗はオクチョンに今でも遅くないから事実を言えと話すが、オクチョンは自分が許されることはないと無罪を主張する。オクチョンと南人たちは危機から脱する最後の手段を使う。